硝⼦体手術

硝子体手術についてVitreous surgery

網膜硝子体疾患には黄斑前膜・黄斑円孔・網膜剥離・硝子体出血など多彩な疾患があります。また水晶体脱臼や眼内レンズ脱臼など、白内障手術後の何らかの合併症にも硝子体手術が必要となる場合があります。

硝子体鉗子
黄斑前膜の手術映像

黄斑前膜の手術映像です。左の写真にあるような硝子体鉗子を用いて厚さ5㎛の膜を剥いていきます。非常に精密な動作ですが右の写真では矢印に示しますように、膜が剥けている様子を捉えた映像です。

硝子体手術の種類Types of Vitrectomy

黄斑前膜

歪みの原因となる、網膜前面に広がる薄い膜を鉗子で剝がします。網膜の手術で最も多く施術しております。

黄斑円孔

円孔を塞ぐために網膜外層にある内境界膜を剥がし、眼内にガスを入れて穴を閉じます。
術後にうつ伏せが必要な手術です。

硝子体出血

急に眼内に出血して視力が低下した場合、硝子体手術で出血を除去し、その原因を解決します。主に網膜剥離・糖尿病網膜症・網膜細動脈瘤破裂などが原因として挙げられます。

糖尿病網膜症

重症の糖尿病網膜症では眼内に増殖膜が張り、やがて牽引性網膜剥離をおこします。この場合は硝子体手術でないと治療できません。増殖膜を丁寧に除去し、剥がれた網膜を元に戻します。眼内にガスやシリコーンオイルを注入することがあります。

裂孔原性網膜剥離

網膜に穴が開き、そこをきっかけに網膜が剝がれてしまう病気です。剥がれた網膜は速やかに元に戻さないと見えなくなってしまうので硝子体手術や強膜バックリング手術が必要です。眼内にガスやシリコーンオイルを注入することがあります。

眼内レンズ強膜内固定

白内障手術時に水晶体が傾いていたり、一度入れた眼内レンズが眼内に落下した場合は通常の白内障手術ではレンズを眼内に固定できないため、硝子体手術を併用し、強膜内固定という方法を使ってレンズを眼内に固定します。

手術の流れSurgical Procedure

  1. 手術日決定

    患者様が手術を希望されましたら、まず手術日の調整を行います。緊急性のある方は急いで行います。

  2. 術前検査、手術説明

    手術で必要な眼科検査、採血を行いその結果をふまえ、イメージしにくい硝子体手術をできるだけわかりやすくご説明いたします。併せて手術のリスクや、眼内にガスを入れる方にはその説明もさせていただきます。

  3. 手術

    日帰りにて手術を行います。予約時間にお越しいただき、手術準備をさせていただきます。手術終了後は眼帯をしてご帰宅いただきます。眼内にガスを入れた方は帰宅後の体位(体の向き)を指示いたします。

使用する医療機器

硝子体手術Q&AFaq

黄斑前膜や黄斑円孔のゆがんだ見え方は治りますか?
ゆがみは軽くなりますが完全に治るとは言い難いです。術前の視機能によって術後の視力は変わります。予めご了承ください。
術後にうつぶせが必要と言われました。自宅でのうつぶせが心配です。
黄斑円孔や網膜剥離では術後に眼内にガスを充填します。また重症の糖尿病網膜症や網膜剝離ではシリコーンオイルを眼内に注入し、自宅でうつぶせしていただきます。専用の枕をお貸しいたします。またずっとうつ伏せではなく時々休んだり、トイレや食事の際は起き上がっていただいて構いません。
以前に白内障手術で入れたレンズが目の中に落ちていると言われました。対応可能でしょうか。
眼内レンズ亜脱臼・眼内レンズ脱臼といいます。当院で日帰り手術が可能です。硝子体手術とレンズ挿入術を組み合わせて手術を行います。ピントが合わずに見えにくいと思いますのでできるだけ早期に手術を行いたいと思います。