緑内障手術

緑内障手術についてGlaucoma Surgery

緑内障手術は主に、眼圧を下げる手術となります。緑内障の進行の程度や、タイプによって術式が変わります。当院ではレーザーで眼圧を下げる毛様体光凝固術、手術で眼圧を下げる線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)、線維柱帯切開術(トラベクロトミー)に対応しております。緑内障チューブシャント手術は施設認可申請中です。レーザー手術の場合は採血は行いません。

緑内障治療の第一選択は薬物治療ですが、

  • 薬物治療でも眼圧が下がらない場合
  • 薬物治療が奏功しても緑内障が進行する場合
  • 点眼管理が困難であったり、薬剤アレルギーがある場合

等では、レーザー治療や手術療法を行います。当科では様々な手術を行うことが可能です。
レーザー治療は、マイクロパルスレーザーを用いた経毛様体光凝固術で眼圧下降を目指します。(サイクロG6)
手術が必要となる患者様の多くは隅角線維柱帯での房水の流れが悪くなることが多く、主に線維柱帯をターゲットとした手術を行っております。

緑内障手術

緑内障手術の種類Types of Glaucoma Surgery

経毛様体光凝固術

白目の部分(結膜)に専用のプローブを当てレーザーを線維柱帯に効かせ、流出抵抗を減らすレーザーです。
視機能を維持したまま、眼圧を下げることのできるレーザーで近年注目されております。
当院では局所麻酔下で日帰りでレーザーを行っております。

  • 合併症:疼痛・充血、一過性の調節不全(ピントが合いにくくなることがあります)
経毛様体光凝固術

トラベクレクトミー(線維柱帯切除術)

眼の外から強膜を切開し、強膜弁を作成をします。露出した線維柱帯を切除し、新たな房水の出口を作成します。強い眼圧下降効果があり、様々な緑内障の形に適応があります。

  • 合併症:術後低眼圧、濾過胞炎、乱視の増加、悪性緑内障など
トラベクレクトミー(線維柱帯切除術)

トラベクロトミー(線維柱帯切開術)

房水の流出抵抗を下げる手術です。現在は眼内から手術器具を用いて抵抗の原因である線維柱帯を切開し、新たな房水の出口を作成します。眼圧下降効果はトラベクレクトミーに劣るものの、手術時間が短く、術後の合併症が少ない術式です。また、白内障の併用手術との相性が良い手術です。

  • 合併症:術後前房出血、一過性高眼圧など
トラベクロトミー(線維柱帯切開術)

プリザーフロ®マイクロシャント手術

「プリザーフロ®マイクロシャント手術」は新たな低侵襲濾過手術です。良好な眼圧下降効果をもたらすとともに合併症が少なく、短時間で終了手術します。術後にコンタクトレンズを付けられる可能性がある濾過手術でもあります。当院では本手術の使用承認を受けており日帰り手術が可能です。

  • 合併症:術後低眼圧、前房出血、濾過胞炎
プリザーフロ®マイクロシャント手術

チューブシャント手術(緑内障インプラント手術)

他の緑内障手術で眼圧下降が不十分であった症例や、血管新生緑内障や角膜移植後の緑内障など難治性の緑内障の治療を得意とする術式です。眼内にチューブを入れ、チューブの中を通った房水は、眼の後ろに設置したプレートに向かって流れていきます。このような人工的なデバイスを眼に留置するため、インプラント手術と呼ばれます。眼圧下降効果はトラベクレクトミーと同等からやや劣るものの、術後の合併症が少なく長期成績の良い術式です。

  • 合併症:眼球運動障害、一過性高眼圧など
チューブシャント手術(緑内障インプラント手術)

水晶体再建術併用眼内ドレーン手術

白内障手術と同時に眼内ドレーン(ステント)を挿入します。ステント挿入によって、眼圧を調整する房水の排出が改善され、眼圧が下がる仕組みとなっております。本手術は白内障手術と同時にできる極低侵襲緑内障手術です。現在はI Stent inject Wというデバイスが主流で院長は本デバイスの認定を受けております。

水晶体再建術併用眼内ドレーン手術
水晶体再建術併用眼内ドレーン手術
認定証

手術の流れSurgical Procedure

  1. 手術日決定

    患者様が手術を希望されましたら、まず手術日の調整を行います。患者さんの緑内障の進行具合、ご年齢、ご希望を勘案し、最適な術式を提案いたします。

  2. 術前検査、手術説明

    手術で必要な眼科検査、採血を行いその結果をふまえ、緑内障の手術説明をさせていただきます。緑内障手術には様々な術式があり、それぞれのメリット・デメリットをご理解いただき、術式を決定いたします。

  3. 手術

    日帰りにて手術を行います。予約時間にお越しいただき、手術準備をさせていただきます。手術終了後は眼帯をしてご帰宅いただきます。

使用する医療機器

  • 谷戸式マイクロフック・KAHOOK DUAL BLADE
    トラベクロトミーの際、線維柱帯を切開する特殊デバイスです。
  • I Stent Inject W(グラウコス)
    白内障と同時にできる緑内障手術デバイスです。非常に低侵襲です。
  • プリザーフロマイクロシャント(参天製薬)
    緑内障インプラント手術(プレート無し)の際に、使用するチューブです。
  • アーメードバルブ緑内障インプラント(FP-7)
    緑内障インプラント手術(プレート有り)の際に、使用するチューブです。難治性緑内障に有効です。
  • Cyclo G6(TOMEY)
  • PROVEO8(Leica)

緑内障手術Q&AFAQ

経堂あそう眼科の緑内障手術の特徴を教えてください。
経堂あそう眼科では線維柱体切除術やプリザーフロマイクロシャントのような緑内障インプラント手術を日帰りで行っております。軽度な緑内障から重症の緑内障まで幅広く治療ができる懐の広さが当院の特徴です。
線維柱体切除術は入院で行う施設が多いですが大丈夫ですか?
以前から日帰りを意識した手術、術後管理を行っておりましたのでノウハウは十分です。長期の入院がない代わりに術後1週くらいは頻繁にご来院が必要になると考えられます。
希望する緑内障手術を行っていただけますでしょうか。
緑内障の病型に合う術式がございますので、適応がありましたらご案内は可能ですが、適応がない術式や明らかに日帰り手術が困難な進行度の緑内障の場合は別の術式や入院での緑内障手術をご案内させていただきます。
緑内障術後に入浴は可能ですか?
経堂あそう眼科では術後2日間はご自身での洗髪・洗顔は禁止しております。ただし首から下の部分のシャワーは短時間の入浴は大丈夫です。
プリザーフロマイクロシャントは術後にコンタクトレンズ装用が可能でしょうか。
ケースバイケースです。線維柱体切除術よりも濾過胞の丈が低いので装着できるケースがございます。特にハードコンタクトは当院では術後全員装用可能でした。
院長の手術希望ですが、入院したいです。どうすればよいでしょうか。
日本大学医学部附属板橋病院でしたら、兼任講師で外来・手術をしているため院長執刀で入院が可能です。術後初回も経堂あそう眼科でフォロー可能です。