白内障手術

白内障手術Cataract Surgery

手術について

水晶体の混濁する白内障を眼内レンズに取り換える手術です。当院では単焦点眼内レンズ・多焦点眼内レンズ共に取り扱っております。難症例の白内障にも対応しておりますのでご安心ください。

写真:白内障手術

左と真ん中は白内障の写真です。白内障は患者様によって進行具合や濁り方が異なりますが手術を行いますと、右の写真のような人工レンズに置き換わります。
手術のタイミングやレンズは患者様と相談しながら決めていきます。

白内障
白内障
人工レンズ

当院の白内障手術の特徴

術前の説明から、手術、術後診察まで
一貫して院長が行います

当院は術前の説明から、手術、術後診察まで一貫して院長が行います。手術医師を明確にすること、目の中に入れるレンズの相談を医師が行うことで安心して手術を受けることができます。
また当院では両眼同時白内障手術も行っておりますので様々な理由で、休みがとれない方や、一度で手術を終えたい方に向いています。

当院の白内障手術の特徴
当院の白内障手術の特徴

経堂駅徒歩1分の日帰り白内障手術施設

当院は院内に手術室を完備しており、大学病院の手術室や航空機内と同等の清浄力を持つ空気清浄機を設置しております。開院以来、術後眼内炎の発症は0人です。また、院長は白内障・網膜硝子体・緑内障手術を専門とし、多数執刀経験がございます(受賞歴あり)。様々な病気に対応できる懐の深い診療が当院の特徴ですので、経堂駅徒歩1分の日帰り白内障手術施設として利便性に優れ、かつ安全な手術が受けられる体制を整えております。

手術室
院内
院内
賞状

きめ細かな乱視矯正とトーリックレンズの使用

当院の乱視矯正レンズ(トーリックレンズ)の使用率は全白内障手術の約45%となっており、全国の平均値10.5%(2023年JSCRSsurveyより)大幅に多い数です。また、全例強主経線切開で乱視が軽減する方向から切開創を作成し、手術を行っており、きめ細やかな乱視矯正を行っております。

難症例にも対応できる最新の手術器械(強膜内固定可能)

硝子体・白内障手術器械として最新の手術装置「ステラリスエリート®コンバインシステム」を採用しております。低侵襲かつ短時間での手術が可能になるとともに当院では難症例の白内障も承ります。
乱視の改善には前眼部OCT「CASIA2 Advance」を手術前後に使用し、より正確な乱視の評価や屈折誤差の少ない手術が可能です。また眼内レンズが1回の手術で入れられなかったケースでも当院では眼内レンズの強膜内固定等の二次挿入が可能です。

【画像】手術器械
【画像】手術器械
【画像】手術器械

眼内レンズについて

白内障手術
単焦点眼内レンズ(保険診療) アバンシィ:Avanseeなどの通常の単焦点眼内レンズ
アイハンス:Eyhance、ビビネックスインプレス:Vivinex Impressなどの高次非球面眼内レンズや付加価値レンズ
レンティスコンフォート:Lentis Comfort®低加入度多焦点眼内レンズ
多焦点眼内レンズ(選定療養) オデッセイ:Odyssey®(連続焦点レンズ)
シナジー:Synergy®(連続焦点レンズ)
パンオプティクス:PanOptix®(三焦点眼内レンズ)
ビビティ:Vivity®(焦点深度拡張レンズ)
ジェメトリック:Gemetric®(三焦点眼内レンズ)
ファインビジョン:FINEVISION HP®(三焦点眼内レンズ)
多焦点眼内レンズ(自費診療) インテンシティ:Intensity®(五焦点眼内レンズ)
ミニウェル・ミニウェルプロクサ:MiniWELL®(焦点深度拡張レンズ)
エボルブ:Evolve®(焦点深度拡張レンズ)
  • 単焦点眼内レンズ
    ピントが合う位置は1か所ですので、遠方・近方など、どの場所にピントを合わせるか相談の上決めていきます。
    当院で主に挿入する単焦点眼内レンズはテクニスアイハンス®(AMO)やビビネックスインプレス®(HOYA)という少しピント合わせに幅をもたせたレンズ(Enhanced monofocal IOL:エンハンスドモノフォーカルレンズ)を中心に最新世代の単焦点眼内レンズを使用しております。
  • 低加入度多焦点眼内レンズ
    保険診療で挿入可能な多焦点眼内レンズです。レンティスコンフォート®(参天)というレンズを使用します。ピントの合う位置は主に5mと70cmの2か所ですが、モノビジョンという左右でピントの位置を変えるテクニックを用いると遠方から近方までピントが合わせられる可能性があります。左右のピントの位置が変わることに抵抗がない方には有効です。
  • 多焦点眼内レンズ
    多焦点眼内レンズはピントが合う場所が2か所以上のレンズです。老視矯正レンズ(PCIOL)とも呼ばれます。
    当院では付加価値のある様々なレンズをご用意しておりますが、大きく2種類のカテゴリーに分類されます。

① 選定療養

単焦点眼内レンズとの差額分を患者様が支払うことで、術前術後の検査料や手術技術料を保険診療で受けられる以下のレンズです。(厚生労働省認可)

  • オデッセイ:Odyssey®(連続焦点レンズ)<米:Johnson&Johnson社>
  • シナジー:Synergy®(連続焦点レンズ)<米:Johnson&Johnson社>
  • パンオプティクス:PanOptix®(三焦点眼内レンズ)<米:Alcon社>
  • ビビティ:Vivity®(焦点深度拡張レンズ)<米:Alcon社>
  • ジェメトリック:Gemetric®(三焦点眼内レンズ)<日:HOYA社>
  • ファインビジョン:FINEVISION HP®(三焦点眼内レンズ)<米:BVI社>

選定療養からは上記6種類のレンズから選択が可能です。

② 自費診療

認可外レンズのため、術前から術後まで、すべてが自費診療となりますが、選定医療以上の付加価値を持つレンズを提供できます。

  • インテンシティ:Intensity®(五焦点眼内レンズ)<以:Hanita社>
  • ミニウェル・ミニウェルプロクサ(焦点深度拡張レンズ・全焦点眼内レンズ)<伊:SIFI社>
  • エボルブ(焦点深度拡張レンズ)<伊:Soleko社>

自費診療では上記3種類のレンズから選択が可能です。
下にそれぞれの特徴を比較表にしました。

選定療養レンズの特徴

近方 中間 遠方 ハロー・グレア 向いている方
Synergy
シナジー
(連続焦点レンズ)

(約35㎝)

(多い)
眼鏡をできるだけ外したい
夜間運転をしない
PanOptix
パンオプティクス
(三焦点レンズ)

(約40㎝)

(約60㎝)

(少ない)
運転やスポーツなど遠方重視
Vivity
ビビティ
(焦点深度拡張レンズ)
<乱視矯正なし>
×
(60㎝)

(かなり少ない)
ハロー・グレアを避けたい
手元は眼鏡使用でもよい
FINEVISION HP
ファインビジョン
(三焦点レンズ)
<乱視矯正なし>

(約35㎝)

(約75㎝)

(少ない)
PanOptixよりも手元重視
ハロー・グレアは少なめ
Gemetric
ジェメトリック
(三焦点レンズ)

(約40㎝)

(約70㎝)

(少ない)
遠中を得意とする三焦点
PanOptixよりも
ハローグレア少なめ

自費診療レンズの特徴

近方 中間 遠方 ハロー・グレア 向いている方
Intensity
インテンシティ
(五焦点レンズ)

(約40㎝)
◎~〇
(かなり少ない)
多焦点レンズの欠点を
限りなく減らしたい
MiniWELL
ミニウェル
(焦点深度拡張レンズ)

(約45㎝)

(かなり少ない)
ハロー・グレアを避けたい
MiniWELLPROXA
ミニウェルプロクサ
(焦点深度拡張レンズ)
<乱視矯正なし>

(約35㎝)

(かなり少ない)
MiniWELLと片目ずつ挿入
してすべての焦点をみるよう
にする(WELL Fusion)
Evolve
エボルブ
(焦点深度拡張レンズ)

(約45㎝)

(少ない)
強度近視で他メーカーの
レンズに用意がない場合
オーダーメードの乱視矯正を希望
Camellens2
キャメレンズ2
(アドオンレンズ)

(約50㎝)
〇~△
(やや多い)
アドオンレンズは
遠方~50cmまでを得意と
する焦点深度拡張レンズ

ライフスタイルに合わせた
『眼内レンズ』の選び方

表にありますように実際のライフスタイルに合わせたレンズを選択します。当院は術前のレンズ相談に力を入れており、しっかりと患者さんの希望をお聞きした上でレンズ選択を行います。

白内障手術費用

保険診療内の単焦点レンズおよびレンティスコンフォート®

医療保険負担割合
0割 1割 2割 3割
0円 15,000~18,000円 約18,000円 約50,000円
  • 保険診療の医療費は他の病気の治療状況や収入状況などで負担額が変わりますので概算となります。

選定療養による多焦点眼内レンズ

項目 費用(税込)
乱視なし 乱視あり
3焦点眼内レンズ
Panoptix®(パンオプティクス)
30万円 32万円
3焦点眼内レンズ
Gemetric®(ジェメトリック)
30万円 32万円
3焦点眼内レンズ
Finvision HP®(ファインビジョン)
30万円 製造無し
焦点深度拡張レンズ
Vivity®(ビビティ)
30万円 製造無し
連続焦点眼内レンズ
Synergy®(シナジー)
30万円 32万円
連続焦点眼内レンズ
Odyssey®(オデッセイ)
32万円 34万円
  • 選定療養による多焦点眼内レンズの支払いは【支払総額=保険診療の治療費+選定療養費】となります 。

自由診療による多焦点眼内レンズ

項目 費用(税込)
乱視なし 乱視あり
5焦点眼内レンズ
Intensity®(インテンシティ)
55万円 60万円
焦点深度拡張レンズ
Miniwell ®(ミニウェル)
55万円 60万円
焦点深度拡張レンズ
Miniwell PROXA®(ミニウェルプロクサ)
55万円 製造無し
3焦点眼内レンズ
Evolve®(エボルブ)
50万円 55万円
項目 費用(税込)
キャンセル料 7万円
抜去 3万円
  • 個人輸入レンズは発注から納期まで1か月程度かかりますので余裕を持った手術予定日の決定が必要です。

高額療養費制度と医療費控除について

白内障手術の治療費が高額になる場合、高額療養費制度による支払いの減額もしくは医療費控除による医療費の還付が受けられる可能性がございます。
詳しくはこちらをご覧ください。

白内障手術の流れ

  1. 手術日決定

    患者様が手術を希望されましたら、まず手術日の調整を行います。免許更新などでお急ぎの方は可能な限り早めに行います。

  2. 術前検査、手術説明

    手術で必要な眼科検査、採血を行いその結果をふまえ、どのようなレンズを眼の中に入れるか相談させていただきます。単焦点眼内レンズ・多焦点眼内レンズのメリット・デメリット、手術のリスクについてご説明いたします。

  3. 手術

    日帰りにて手術を行います。予約時間にお越しいただき、手術準備をさせていただきます。手術終了後は眼帯をしてご帰宅いただきます。両眼同時手術の場合は、専用の眼鏡でご帰宅いただきます。

使用する医療機器

アドオンレンズadd-on lens

アドオンレンズについて

アドオンレンズとは、白内障手術を終え、レンズがすでに目の中に入っている方に追加して挿入するレンズを指します。

すでにレンズが入っている方の中で

  • ピントが合う位置を変えたい(近視や遠視の追加矯正)
  • 乱視が増えてきたので減らしたい(乱視の追加矯正)
  • 遠くも近くも見えるようにしたい(多焦点レンズの追加)

といった不満を外科的に解消できる方法です。

過去に片目だけ手術をして、後に反対の目を手術するときに左右のバランスを整えたいという方にも適応がございます。

メリット

  • 白内障手術術後のピントの位置への不満を解消できる可能性があります

デメリット

  • 個人輸入による自費診療となります
  • ハロー・グレアといった現象がレンズ挿入後に起こることがあります
  • ご自身の理想の見え方と食い違ってしまうこともあります

当院採用のアドオンレンズについて

当院のアドオンレンズはSOLEKO社のCamellens2(FIL 622-2シリーズ)を採用しております。
レンズ製造範囲が広く様々な術後の屈折状態に対応できるレンズです。

写真:アドオンレンズ
写真:アドオンレンズ

費用

項目 費用(税込)
単焦点乱視なし 片眼 25万円
単焦点乱視あり 片眼 27万円
多焦点乱視なし 片眼 30万円
多焦点乱視あり 片眼 35万円
キャンセル料 5万円
抜去 3万円